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手の汚れ落ちを『ルミテスター』で確認してみました

2020年5月13日

手の汚れ落ちを『ルミテスター』で確認してみました
 
 
1テスターとすま.jpg 
 
ウェットティッシュで手を拭いたときの汚れの落ち方は、前回の『ウエットティッシュで手の汚れは落ちるの?』の記事でご紹介しました。
前回は汚れに見立てた蛍光ローションを使って、手のどの部分の汚れが落ちにくいかを確認しました。
ウェットティッシュで手を拭くときには、どの箇所をしっかり拭く必要があるかわかりましたね。 
P2584265C_01.pngのサムネイル画像   
 
では、実際の汚れは、どのくらい落ちているのでしょうか?
流水での手洗いと比べて、ちゃんと汚れは落ちているの?
 
気になりますね。
 
 
そこで今回は、キッコーマンバイオケミファ株式会社製の「ルミテスターSmart」を使って手に付着している汚れを数値化して確認してみました。
 
水2501-るみ1.jpg
 
 
ルミテスターはあらゆる生物が持つエネルギー代謝に必須の物質であるATP(アデノシン三リン酸)やADP(アデノシン二リン酸)、AMP(アデノシン一リン酸)の量を判定します。微生物そのものの数ではなく、微生物の栄養源となったり殺菌・消毒効果を弱める汚れも含めた付着物の状況を確認します。
 
黄色ブドウ球菌.pngカンピロバクター.png
 
ATP+ADP+AMPの量が多い
⇒汚れも微生物も多い
洗浄不足と判定
 
 
ATP+ADP+AMPの量が少ない
⇒汚れが少なくなっていると微生物も除去されている
洗浄良好と判定
 
 
数値が小さくなるほど、きちんと汚れが落ちているとわかります。
きちんと汚れが落ちているということは、手についていた微生物なども、取り除けていると考えられますね。
 
ばいきんサヨナラ.png 
 
ルミテスターでは手指の汚れ数値2,000以下を良好と判定しています。
(汚れの指標であり、細菌数ではありません)
 
 
コープデリ連合会では、店舗のインストア部門(惣菜や水産、畜産など店舗内で加工する部門)の衛生点検で活用しています。その場で汚れの状況が見えるので、衛生状況の確認や改善に役立ちます。
衛生的な環境で製造した商品を販売することが、食の安全につながります。
衛生的な環境で作られた商品を、私たちが食べるときにも衛生的に食べられるように、気をつけなければなりませんね。
 
 
さあ、手の汚れの状況を確認してみましょう!
今回は、ウェットティッシュを使って拭いた場合と、流水での手洗いでの汚れ落ちを比べてみます。
 
 
 
 
まずはじめは、ウェットティッシュでの汚れ落ちの状況です。
簡単に、お手ふきですませてしまいたいときもありますが、どうなんでしょう! 
 
 
 
外出など、外で汚れた手を想定して、かなり汚れた手になってみました。
P4235689.JPG 
 
 
1.汚れた状態の手の数値を調べます。
外で手洗いせずに、そのままの状態と同じです。
大丈夫でしょうか・・・。
  
 
 
専用のめん棒で手をくまなくふき取って、ルミテスターにセットします。
最新式なので、なんとスマホと連動して、スマホで操作できます。
ピッと測定スタートして、10カウント待てば・・・
 
カウントダウン.jpg 
 
 
出ました!
 
28641-3.jpg
28641-2.jpg 
手指の汚れ管理基準値2,000の14倍!!
なんと28,641。
 
28641-すま1.jpg 
28641-すま2.jpg 
不合格、ですよね~。
これじゃあおいしく食べられません(>_<)
なんとかきれいにしたいです。
 
 
 
 
2.ウェットティッシュで汚れを拭きます。
 
今回は、汚れがどのくらい取り除けるかを確認します。
  
P4235682.JPG 
 
前回のように、普段している程度の手拭き感覚で拭いてみました。外出時のお弁当前みたいなイメージです。
 
さて、結果は・・・
 
19931-1.jpg 
う~ん、まだまだ基準値大幅超えて、19,931。
2万の大台は切って、汚れの数値的には3割減ですが、まだ、この手で食べたくはないなぁ。
 
19931-2.jpg
 
やっぱり不合格。
 
 
 
3.では、手洗いポイントを意識して、30秒以上しっかりと拭きましょう。
途中で一度ウェットティッシュを新しくかえて、2枚で拭いてみます。
意識するポイントは、指先、指の付け根、手のひら、親指の付け根と周囲です。
 
ポイント手洗い手順4.pngのサムネイル画像 
さあ、30秒数えながら、拭いてみましょう! 
途中でシートを替えます。
指まわりをクルクル、親指もクルクル。
 
ポイント手洗い手順5.pngのサムネイル画像 
 
 

気になる結果は・・・
 
13647-るみ2.jpg 
13,647・・・、あんまり減っていない。
 
13647-すま2.jpg 
 
もちろん不合格。
ガックリ。
ウェットティッシュだと、ピッカピカ★ は難しいみたいです。 
 
 
 
同じようなやり方で、複数名で6回実施してみたところ、平均の汚れ落ちの結果はこうなりました。
 
手拭の平均除去率.png 
 
2枚使ってポイントに気をつけながら拭くことで、半分以上の汚れは落ちますが、きれいに落ちるというまでは難しいようです。
また、人による拭き方のくせや、汚れの種類によっても変わってきます。
ウェットティッシュのシートの使い方も、拭いた汚れが付いた箇所で再び手を拭いてしまうと、反対に汚れが付いてしまったり、汚れを広げてしまう可能性も考えられました。
 
汚れの付くポイントポイントを、シートを新しく替えながら拭いていく必要がありそうです。
(※今回は汚れの数値化であり、殺菌・除菌など微生物の残存については判定していません)
 
 
 
 
 
それでは、流水での手洗いはどうでしょうか。
 
 
 
同じように、外出後の汚れを想定して、汚れた状態の手で調べてみます。
 
P4235689.JPGのサムネイル画像 

1.手洗い前の数値を見てみましょう。
 
27262-1.jpg 
 

27262-2.jpg   

かなり汚れていますね。
 
 
 
 
2.流水のみで簡単に手を洗ってみます。
水13175-るみ2.jpg 
 
水13175-すま2.jpg 
 
まだまだ汚れています。
でも、ウェットティッシュでていねいに拭いたときと同じくらいまでは汚れが落ちていますね。 
 
 
 
 
3.さらに、ハンドソープを使って30秒かけて洗ってみました。
水2501-るみ2.jpg 
 
水2501-すま2.jpg 
 
まだ要注意ではありますが、ようやく不合格から脱出。
汚れは、約10分の1まで減りました!
ハンドソープを使った基本の手洗いで、汚れがかなり落ちることはわかりましたが、これだけ汚れた状態のときは、基本の手洗いよりもさらにもう1回、しっかり洗うほうが安心ですね。
特に、調理の前や食事の前は、2度洗うくらいしっかり対策すると、より安心です。 
 
 
 
 
流水での平均の汚れ落ちの結果はこちらです。
 
手洗いの平均除去率.png 
 
ハンドソープを使って30秒以上かけて洗うと、9割以上の汚れが落ちると考えられます。
 
これも、洗い方のくせや汚れの種類によっても変わりますが、意識してしっかりと洗うことと、流水で「洗い流す」ことが汚れを落とすことにつながっているとわかります。
ハンドソープを泡立てて手を洗った後に、時間をかけて流水ですすぐことが、泡の中に取り込まれた汚れをしっかり落とすためにも重要です。
 
 
 
 
ウェットティッシュの手拭きでの汚れ落ちは、流水でさっと水洗いした場合と同程度と考えられます。

やはり、しっかり流水でハンドソープを使った手洗いが衛生管理には必要ですね。


(※今回は汚れの数値化であり、殺菌・除菌など微生物の残存については判定していません)
 
 
 
 
 
さて・・・
こうやって拭き取りで汚れを確認をしていると、気になりますね、あの汚れ。
 
 
sumaho.jpg 
 
そう、いつも触っている、スマートフォン!
スマホは汚れていると言われていますが、どうなんでしょうか!?
ルミテスター専用綿棒の、残った1本で、気になるスマホの表面、拭いてみました!!
(※1回のみの結果のため、すべてのスマホが同程度の汚れとの確認ではありません)
 
 
 
   
気になる結果は...
 
すまほ結果.jpg 

15,253!!!
手洗い後に触る部分ということで、冷蔵庫の取っ手を基準に選びましたが、基準値の500を大幅に超えて、ウェットティッシュでの手拭後の手の状態よりも汚れていました。 
 
 
せっかくきれいに手洗いしても、すぐにスマホを触ってしまっては、再汚染のおそれがあります。
 
手洗いは調理や食事の直前にして、手洗い後にあちこち触らないことが大切です。
気がつかないうちに、手は色々なところを触っています。
正しい手洗いを、こまめにおこなって、食中毒予防・感染症予防に努めましょう!
 
手洗いのポイントについてはこちらの記事をご覧ください。 
 
 
※ 簡易的な汚れ落ちの確認であり、正式な研究結果等ではありません。
※ 表示している数値は汚れの指標であり、細菌数ではありません。
※ 除菌効果やウイルス予防の効果を測定したものではありません。