調査研究 調査研究

Vol.2 キッチン用スポンジの効果的な除菌方法は?

2020年8月26日

スポンジのイメージ

1.目的
毎日、食器や調理器具を洗うために使用する「キッチン用スポンジ」。使用後は、洗剤を流してきれいに使っていると思います。
しかし、細菌の繁殖する要因である「湿度、温度、栄養」の条件にピッタリなのが、キッチン用スポンジです。
使用後にしっかり水をきらなければ「湿度」があります。食材のカスが付着していれば「栄養」があり、コンロの近くや室内のため「温度」も適温です。そのため、スポンジが細菌の温床になっていることが考えられます。

2.スポンジの細菌数
最初に「キッチン用スポンジにどれだけの細菌が残っているのか」について、コープデリ商品検査センターで「特に除菌等をせず日常的に使用中」のスポンジ3個について調査してみました。

スポンジの細菌数(一般生菌数/g)

スポンジ① 120,000,000
スポンジ② 38,000,000
スポンジ③ 38,000,000

※一般生菌とはいわゆる雑菌と言われているもので、食品衛生上で汚染の度合いを示す指標菌とされます

10,000,000/gを超えると、食品だと初期腐敗と言われています。
スポンジと食品を同じに考えることはできませんが、調査をするまでは、スポンジの中にこんなに細菌がいて汚染されているとは思ってもいませんでした。
この細菌を除菌するには、どのような方法が効果的なのでしょうか。

細菌の写真

3.実験
「どのような除菌方法が効果的なのか」を検証するために実験をおこないました。

【実験方法】
(1)スポンジ①から検出された細菌を10倍に薄め、新品のスポンジに10ml添加します。(実験前の菌数)

(2)キッチン用スポンジの一般的な除菌方法として、以下の6種類を実施しました。比較として「⑦何もしない」スポンジも用意して、それぞれのスポンジにどれだけの細菌が残っているのかを調べました。(翌日検査の菌数)

除菌方法
①食器用洗剤
(除菌表示あり)
原液8mlをまんべんなく浸透
②食器用洗剤
(除菌表示なし)
原液8mlをまんべんなく浸透
③漂白剤 5Lの水に原液を6ml入れ、約2分浸した後、よくすすぐ
④熱湯 熱湯を約1分かけ、すぐに水でさまし、水気をきる
⑤電子レンジ 500Wで1分加熱
⑥天日干し
(日光消毒)
10月30日(9時30分~14時30分)晴れ 5時間干す
⑦何もしない 除菌せず1日放置
スポンジの写真

4.実験結果
実験結果は下記の通りです。

スポンジの除菌方法別除菌結果のグラフ
スポンジの除菌のイメージ

5.考察
調査結果より、一般的に行われている除菌方法にはいずれも除菌効果があることがわかりました。
今回は、除菌効果について検証しました。実際にご家庭でスポンジを除菌される際には、ご使用のスポンジの取扱い説明をご確認のうえ、スポンジに適した除菌方法をお試しください。

※今回の調査研究は、あくまでコープデリ商品検査センターの内部で確認した内容です。除菌効果を保証するものではありません。