2020年11月27日
~知って楽しい食べ物の秘密~魚介類の名前を知ろう②~
前回に続き、消費者庁の食品表示基準Q&A別添「魚介類の名称のガイドライン」から事例をご紹介します。
魚介類の中には成長段階に応じた名前(成長名)や、季節に応じた名前(季節名)があるものがあります。
●季節名
「サケ」
・秋頃産卵のために沿岸に回遊してきたものを・・「アキサケ」「アキアジ」
・春から初夏に沿岸に回遊してきたものを・・・・「トキサケ」「トキシラズ」
と呼ばれています。でも、輸入される外国産の魚類にこの季節名は表示できません。
●成長名
「サケ」
・生まれた川に帰る前の、未成熟なものは・・・「ケイジ」と呼ばれます。
「ブリ」
・東京 「ワカシ」→「イナダ」→「ワラサ」→「ブリ」
・大阪 「ツバス」→「ハマチ」→「メジロ」→「ブリ」
成長名も地域によって呼び名が変わるんですね。
●使ってはいけない名前
また、海外で漁獲された魚や外来種など食べたことのない魚を利用することが増えていく中で、魚介類の偽装表示につながらないよう、「魚介類の名称のガイドライン」は整備されています。
外来種など新規の魚に、高級魚に似た名前をつけて誤認させることを防ぐために「使用できない表示例」もあります。
・フィッシュフライなどで「メルルーサ」という名前を聞いたことがある人もいるでしょうか。
「メルルーサ」を「タラ」と表示することはできません。
・「メロ」という一般的名称で呼ばれる魚は「マジェランアイナメ」と「ライギョダマシ」の2種類ありますが、いずれも「ギンムツ」や「ムツ」と表示することはできません。
・「ナイルパーチ」を「スズキ」と表示することはできません。
・貝類でも、「ホンビノスガイ」を「ハマグリ」等と表示することはできません。
それぞれ、魚介類の名称や原材料名を確認してみてください。
今まで獲れていた魚介類が少なくなっていくのは寂しいことです。新しい魚の新しい味を楽しみながらも、海洋環境にも目を向けていきたいです。
参考:消費者庁「魚介類の名称のガイドラインの一部改正等の概要について」
消費者庁「食品表示基準Q&A別添魚介類の名称のガイドライン」
(Y. Y)