2020年11月 5日
~知って楽しい食べ物の秘密~魚介類の名前を知ろう①~
最近、魚売り場で馴染みのない魚の名前を見かけることはありませんか。
魚は同じでも地域で呼び名が違ったり、成長するにつれて呼び名が変わるもの、海外の魚の中には日本の名前が無いものもあったりします。
それらに対応するため、消費者庁では食品表示基準Q&Aの別添として「魚介類の名称のガイドライン」を提示しています。
近年、安定的に調達できる魚介類が減ってきて、これまで一般的に流通していなかった魚などを扱うケースが増えてきたことから、魚の種類を追加するなどガイドラインの一部改正が行われました。
「魚介類の名称のガイドライン」は生鮮魚介類の小売販売を行う事業者等に対し、食品表示基準に基づき魚介類の名称を表示等する際に参考となる考え方等を示すものです。
今回の改正も、私たち消費者が買い物をするとき、魚を誤認することがないように検討されています。
今回はこの「魚介類の名称のガイドライン」の中からいくつかの事例をご紹介します!
●白身魚
フライや切り身で販売されている「バサ」は、タイや東南アジアで養殖されているナマズの仲間です。「白身魚のフライ」などの商品名で目にすることが多いと思います。
「バサ」は英語名で、この名前で国際的に流通しています。また、「バサ」は、日本では学名から「パンガシウス」ともよばれています。
この魚に、日本の名前(標準和名)は付けられませんでしたが、日本では「バサ」もしくは「パンガシウス」のどちらかの名前で流通しています。
「白身魚」の商品を探して、表示を確かめてみてくださいね。
↑コープデリでも取り扱っています
標準和名は、日本において学名の代わりに用いられる生物の学術的名称です。
「魚介類の名称のガイドライン」において、魚類の名称の表示は標準和名を基本とすることとしていますが、新たに海外から輸入・流通される種など、標準和名が付けられていない魚種もあります。
このため、消費者庁では日本魚類学会の協力を得て、魚類の新たな標準和名を提唱することを可能とする提唱手続を整備しました。
まだ標準和名の付けられていない魚が、自分の付けた名称で流通するかもしれません。
●舌平目
これまで標準和名が「イヌノシタ」という魚は「シタビラメ」と表示することはできませんでした。
「イヌノシタ」では魚の名前だとはわかりづらいですし、「犬の舌」と読めてしまいあまり良いイメージではありませんでしたが、今回の改正で「シタビラメ」と表示できるようになりました。
ちなみに「シタビラメ」と表示できるものは、他にも「クロウシノシタ」、「アカシタビラメ」の2種類があります。
こちらも「牛の舌」など、魚の名前とは思えないおもしろい名前ですね。
近年地球温暖化など様々な影響で魚が獲れなくなり、今まで食べたことの無い新しい魚が、これからも食卓に上るようになるでしょう。魚介類の表示を見て新たな発見を楽しめるようになるといいですね。
参考:消費者庁「魚介類の名称のガイドラインの一部改正等の概要について」
消費者庁「食品表示基準Q&A別添魚介類の名称のガイドライン」
FOOCOM.NET 食品表示・考「消費者庁 魚介類の名称ガイドライン改正と、新しい名前の手続き公表」
(Y.Y)